2015年6月14日日曜日

RENDO R7702 2nd Report

RENDOの7702が10か月経過した。

この靴、いままで履いた靴で購入直後に初めて小指に強烈なタコができたりかかとが擦れたり、第一印象は自分に合わない靴だった。

ところが10ヶ月経ったいまでは当初こうなるとは思えなかったほどにジャストフィットになっている。購入当初といまとの印象はまるで別の靴のよう。

RENDOの靴は芯地がほかの靴に比べて固いと感じる。またラストは細いと言われている。
おそらくはEEの僕の足では少し横幅が窮屈なことと、このような靴作りのコンセプトから最初に固いと感じたのだろう。

いまはそういう痛い思いは全くない。
だいたい週に1度くらいの登板頻度なので延べ50回くらい履いたことになる。
底面の減り具合から想像するに、比較的詰められているコルクも厚い。これも購入当初からの変化の一因か。
ヒドゥンチャネルの部分が減らないのはコルクが体重で変化することを想定してある程度中央を盛っているからだと推察される。
この靴は天候を気にせず雨の日も履いているが、ソールのヘリは少ないし、乾くと何事もなかったように戻っている(気がする)。ソールにはごくごくたまにソール用のクリームを入れている。

RENDOはビジネスマンの靴というコンセプトもあるみたいで、その通りの真面目で朴訥な印象で、これはこれである意味日本の靴っぽい。

いまのところほつれたり型崩れしたりもなく、あまりロングノーズでないこともあるのかつま先の減りも少ない。僕の場合は週1ローテーションなら1年くらいは軽く持ちそう。

アッパーに使われている国産キップは履きこむにつれてだんだんと柔らかく、しなやかになる。購入時は固い印象を受けるが、きちんとクリームを入れて履きこむことで、想像以上に変化する。

リーガルの国産キップと同じタンナーなのか、それともキップというグレードに共通なのか、しわはかなり大味に入る。購入するときに受けた説明では良い部分を使っているとのことだけれど、僕のレベルではよくわからない。表面のつぶつぶ感が目立つことからも、W10BDJ1のようにしっかりグレージング仕上げされたキップとは違う気がする。

太いしわが入ってもクラック防止のため丁寧にブラッシングさえすれば実用上は全く問題がないと思うのだが、しわの入った靴は一般的にウケが悪い。うちの家庭内でもこの靴のほうが、これよりはるかに履きこんでいる01DRCDより「古く見える」といわれる。

この靴のお手入れにはBoot Blackを使っている。
Boot Blackの乳化性クリームは革に浸透し易いため、表面は素材を活かす仕上がりになる。このクリームのみだとキャップの部分も凹凸感が残ってしまうので、鏡面寄りに仕上げたいときはサフィールノワールクレム1925を使うか、ワックス併用のほうが良さそう。

表面の仕上がり点ではヨーロッパタンナーのボックスカーフとは傾向が違う。表面の凹凸が目立つ感じで、これが光の反射を分散させてしまい、結果として艶が出にくい。
ガラス仕上げの靴が格好良く見える向きには向いていないかもしれない。
左がウェインハイムレダー、右が国産キップ。艶感がだいぶ違う。これは仕上げによるものかな。グレージングをしまくれば意外と近いものができたりして。
ただ、ネットでRENDOの靴を見ると、僕のものとはまた違った艶をもっているものがちらほらあるので、クリームやワックスの使い方でより高級感が出せるはず。

若いサラリーマンでも、お小遣い制のお父さんでも何とか頑張って買える範囲で長く使える本格的な靴。履きこむことでわかる靴の良さがこの靴にはある。

冒頭にも書いたように購入した当初は小指にもかかとにも結構なダメージがあって、この靴でできたタコがいまだに残っているが、いつの間にかこの靴はどこも痛くないジャストフィットの靴になっている。固い作りではあるけれど、きちんと足に合わせて変わる靴。
購入時にも「足の形状からすると、ラストのほうが少し細いのできついかもしれない。その時はストレッチします」という提案を受けたのだけれど、結果としてストレッチなしで十分なフィットを得られる靴になった。このあたりは試着だけではわからない。そこが靴購入の難しいところ。
逆に言えば、僕のようなEEではなくもう少し細いい人だとコルクの沈み込みなどによって少し余ることが出てくるのかもしれない。

よく言われる「小さめのかかと」については、確かに他のブランドの靴よりコンパクトな仕上がり。前回も書いたように購入時そのまま履くとかかとのサイドがかなり当たり、まともに履けたものではなかった。当たる部分の芯地を指で慣らしてみることで、ちょうどいい感じのコンパクトさを感じられるかかと周りになった。

ところでこの靴、ネット上の情報からするとセントラル製だと思われるのだけれど、同じセントラル製と思われる三陽山長のおよそ6割の価格。アッパーで使われている革が違うにしても、かなり良心的な価格設定なのではないだろうか。

RENDOって、靴好きの人ならそのコンセプトとそれから導き出される良さが理解できると思うのだけれど、これから靴好きになる予備軍である若い世代に訴求するには今ひとつパンチが足りない気がする。いわゆる真面目すぎてモテない君で、作り手の伝えたいメッセージを受け取る側もこの真面目さを受け止めるだけの余裕が必要とされてしまう。
一巡して、クラシックな普段履きが欲しくなった人が立ち返る靴なのではないかと。

個人的にはこうした真面目なコンセプトにもっと光があたって欲しいし、こういう靴こそが日本のベーシックとして広まったらいいなと思う。実際に自分で購入してみて履いてみて解ったのは、本当に期待を裏切らない靴。目立たないけれどなぜか安心。

足馴染みも良いし、ビジネスシーンで必要十分なRENDO。これからも天気を気にせずどんどん履いていきますよ。


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AmazonでRENDOの取り扱いが始まっています。いまのところ7702はダイナイトソールモデルのみみたい。キャップトウはレザーもある。万人向けでいい靴だと思う。中でもAmazon専売のネイビースエードはかなり格好いい。これがレザーソールだったらなぁ...



ツリーはディプロマットヨーロピアンを入れています。

4 件のコメント:

  1. Rendo R7702、履き下ろしました。皺の入り方は、確かに少し大味な印象でしたし、トウのところにもうっすら縦じわが浮かんだりして(気をつけて見ないと見えない)、あれ?と思いましたが、靴の形や履き心地はすごく気に入りました。かかとの内側も最初は確かに当たりましたが、レポートして下さっていたので、あらかじめ絆創膏を貼って対処できました。革は思ったよりは柔らかく、すぐ馴染みそうです。、

    いつも丁寧なレポートありがとうございます。更新楽しみにしています。

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    1. コメントありがとうございます。
      お返事が遅くなってしまいすみません。
      同じ靴を履いている人がいると嬉しいですね!

      RENDOのキップは結構しわが大きく入るので、「あれっ」って感じですが、意外と足馴染みも早くて、履きやすいですよね。確かに私もキャップのふちにしわが入ります。

      やっぱりかかとの内側は固いですか。
      最初は自分の靴が特にそうなのかと思っていましたが、やはり芯地とラスト形状の特徴なのかな。私は指でぐいぐい押して調整してしまいました。

      RENDOのデザインの中ではR7702がいちばん好きです。
      キャップトウをほんのちょっとだけ崩したパンチドキャップトウってビジネスシーンに違和感なく溶け込む素晴らしいデザインかなと。

      今年に入ってから更新頻度が悪いのですが、少しずつまた書き足していきますので気が向いたときに見に来てもらえるとうれしいです。

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    2. 返信ありがとうございます。この前にgoogleアカウントでもコメント書いたのですが、もし存在するようでしたら、よければ削除してください。(投稿されていないのかと思っていました)
      今年の3月末に、もう32だし、そろそろ!と、初めてそれなりの靴として01DRCDを色違いで2足買って以降、見事にはまり、3ヶ月程で計5足(スコッチグレインのオデッサ916DBR、シェットランドフォックスのインバネス黒プレーントウ、rendo)買ってしまいました。気に入ったデザインを自然に選んでいたら、スーツはほぼ着ない職場なのに4/5足がキャップトウになり、しまった!とも思いましたが、貴ブログのおかげもあり、お手入れ含めて楽しめています。服と足元が合っていない、と言われそうですが…

      自分語りが長くなり恐縮ですが、ご無理のない範囲で、更新していって頂けると嬉しいです。

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    3. せっかくいただいたコメントにきちんとお返事を書きたくて承認制にしているため、レスポンスが遅くなってご心配をおかけしてすみません。

      01DRCDに始まり、オデッサ、インバネス、R7702と、どれもきわめてオーソドックスな長い間履けるモデルですね!

      靴は自分の好きなものを好きなスタイルで履けばよいと思っています。もちろん、ルーツにあったスタイルがあるのでしょうけれど、相手に失礼になる方向を除いてファッションはもっと自由に考えてよいのかと。こだわり出すとそもそもフルブローグ+デニムって変ですし。RENDOの皆さんもジーンズに黒のキャップトウを組み合わせていました。

      takumatさんのコメントに影響されて、さっそく今日はR7702で出勤しました。
      かかとの話が出ていたので少し意識してみたところ、このすぼめ具合はひょっとすると足首をよく掴むように工夫されているのかなと。くるぶしとかかとの間の少し凹んだところにあたる感じです。履き口のほんのちょっと下で掴むように工夫されているのかもしれません。

      01DRCDは同サイズ相当のR7702と比較するとゆったりとしたサイズ感ではあるものの、メリハリがあるのか緩い感じがいいですね。長時間歩くときは結構楽でお気に入りです。

      靴のお手入れも好きなので、今年はクリームやグッズネタも書いてみようかと思っています。このブログもブートブラックから始まっていたことを思い出しました。
      あと、もうだいぶ前にリクエストいただいていながらまだ公開に至らないタイやその他もできたらいいなぁと。ものすごい長期スパンな人なのでなかなか更新されないブログですが、少しずつ書き足していこうと思っています。

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