2013年6月16日日曜日

革靴のお手入れ

革靴のお手入れについて自己流の方法を書いてみようと思う。

革靴のお手入れ方法はいろいろな流儀があるようで、ステインリムーバーはを毎回使う人がいる一方で絶対使わない人がいたり、ニュートラルを中心に使う人もいれば黒い靴には必ずブラックを入れるという人もいる。ポリッシュする人もいればそんなの要らないという人もいたりで、いったいどれが正解なのかわからない。

科学的に検証すれば正解はあるのかもしれないが、そもそも革靴のメンテナンスなんて趣味みたいなものだし、情緒的な部分もあるので、ひとつに縛られないから面白い。

・・・

よく革靴のお手入れの話で、「クリームの重ね塗りは厚化粧と同じ」という件があるが、本当にそうなのだろうか、と思う。

ワックスについては確かにヒビも割れるのだろうけど、乳化性のクリームを塗り続けることが「厚化粧」と同じとは到底思えない。(塗る量もぜんぜん違う)

化粧をしている女性は、化粧が終わったあと豚毛のブラシで顔をブラッシングしているのかと思うし、毎日馬毛のブラシで汚れを払っているわけでもないだろうし、雨風に一日中晒されることも無いだろうし条件が違いすぎる。そもそも新陳代謝のある人間の肌にする化粧と、なめされた革に塗りこむクリームを同列に扱うのはどうかと思う。

革靴の置かれている環境を素人的に考えると、まずクリームを塗りこんだあとは乾燥する一方だろうし、クリームの一部は乾燥して固化してブラッシングで取り除かれていくだろうし、雨に降られれば油分も抜けてしまうだろう。革が呼吸(というか人間の汗を排出)する過程でもいくらか油分は抜けるだろうから、乳化性クリームオンリーでメンテナンスしている僕にとってはステインリムーバーはやサドルソープの必要性はあまり感じない。

というわけで、わりとしっかりやるときは次のようにメンテナンスしている。


1. まず豚毛のブラシでていねいにブラッシング

お手入れの本や他の人のブログをみてみると、馬毛を使う人が多いのだけれど、手持ちに豚毛しか無いのでそのまま使っている。
まぁ、表面についているホコリやちょっとした汚れが落ちれば十分なので。
靴底やコバのあたりもそれ専用に用意したブラシで汚れを落としておく。特に雨に降られたあとなどはコバの周りに結構ゴミが溜まっているのでていねいに。

2.キッチンペーパーで軽くクリームを取る

キッチンペーパーかティッシュで表面のクリームをある程度落とす。

3. ぬるま湯で固く絞った綿布で全体を拭う

水より余計な油分を落としそうなので。
あまり熱いと革に悪そうなので(根拠なし)、人肌くらいに給湯器の温度設定をしてそれで固く絞った布を使う。布は使い古しのTシャツがいちばんいい。これで全体をあまり力を入れずに軽く拭う。表面についた汚れをある程度落とすのが目的。

4. デリケートクリームを塗る

5回に1回くらいはM.モゥブレイのデリケートクリームをごくごく軽めに塗る。このクリームは伸ばすというより表面を覆うような感じで塗っていく。デリケートクリームは革に吸い込まれるような感じで吸収されるので、気をつけないと塗りすぎてしまう。

5. 気持ち乾かす

デリケートクリームはかなり水っぽいので、気持ち乾燥させる。
風通しの良い場所に置いて30分くらい放っておく。

6. 乳化性クリーム

僕は主にサフィールノワールを使っているので、正確には油性クリームなのだが、これは水が入った乳化性クリームと同じ使い方ができると言われている。このクリーム塗る前にデリケートクリームを入れていることもあり、水分あるなしは気にしない。
サフィールノワールには有機溶剤が含まれているので、ある程度の汚れは取れるのだろうと勝手に思い込んでいる。
塗る際はほぼ綿布で塗りこむ。ペネトレイトブラシよりこっちのほうが塗っている感じがするので。ただコバ周りなどはどうしても布が入らないし、無理に入れるとクリームがダマになって残りそうなので、思いっきり少量をブラシにつけて入れている。

7. コバクレヨン

ブートブラックのコバクレヨンでコバの色を補充。ほとんど変わった気がしない。
気が向いたときはHerringで靴を買った時におまけでついていたワックスを使うのだけれど、あまり変わる感じもしないので、ほとんど気分でメンテナンス。
ただ、コバ周りはメンテナンスをするのとしないのとでは靴の全体的な印象が変わると思う。

7. ブラッシング

コバを塗っている間にアッパー部分はある程度馴染むだろうから、ここでいったんブラッシング。あまり気合を入れずにサッサと磨く。どちらかと言うとクリームがシワの間で固まらないようにするためにやっているという感じ。

8. ソール

ソールのメンテナンスは雨に降られたあと以外は本当に気まぐれでしか塗っていない。
意味があるのかよくわからないが、なぜかソールクリームを塗ると革底の欠点がカバーされるような気がするのが不思議だ。

9. 全体をひたすら磨き上げる。

ブラッシングさえしておけば余計なクリームはとれていると思うので、しばらくほったらかしにしておく。なので、磨くのは数時間後~翌日なんてことが多い。まずはひたすらブラッシング。片足2、3分ほどブラッシングするのでかなり長めにやっていると思う。
それが終わったら余計なクリームを落とすということと、光らせるという目的でひたすら磨く。
といっても両足で1、2分だけど...(マジメに測ると1分って意外と長い)


いまのところこれがメンテナンス。だいたい10分から15分といったところだろうか。
靴のローテーションの中でやっているので、それほど時間をとられるわけでもないし、むしろもっと磨きたいくらいなので、個人的には負担とは思っていない。
まぁ、これも趣味のひとつなんですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿